普段から臨床心理士として勤めている佐々木いちなりです。
「職場にどうしても馴染めないんです」
「最初は適応障害かと思ってたけど、なんだか根本的にズレてる気がして…」
「やっぱり、私って発達障害なんでしょうか?」
こうした悩みを抱える方はとても多く、そしてその背景には“正体の見えない生きづらさ”があります。
今回は、そのモヤモヤを少しでも言語化するために
• 適応障害との違い
• 発達障害のスペクトラム性
• 「社会的障害」という診断のカギ
について、やさしく、でも確かな根拠をもとに書いていきます。
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まず、「適応障害」って何だろう?
適応障害とは、環境のストレスに対して、心や身体が過剰に反応してしまう状態をいいます。たとえば…
• 転職や異動、進学などのタイミングで心身に不調が出る
• 強い不安、焦り、涙が止まらない
• 眠れない、食べられない
• 「会社に行くのが怖い」「もうやめたい」と思ってしまう
こうした症状が、環境ストレスに“明確に紐づいている”のが特徴です。
💡そして、ストレスの原因から離れると、比較的回復しやすいのも適応障害の特徴です。
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「それでも生きづらい」は、もしかすると…
もし、環境が変わっても、休んでも――
• ミスばかりで自分が嫌になる
• 人間関係がいつもうまくいかない
• 音や光、匂いに敏感すぎる
• 集中できなかったり、逆に過集中になってしまったり
…という「変わらない生きづらさ」があるなら、
もしかするとそれは発達障害(神経発達症)と呼ばれる特性かもしれません。
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発達障害って“病気”なの?
多くの人が「発達障害=病気」と誤解していますが、正確には違います。
✔️ 脳の“発達の仕方”に由来する、生まれつきの“特性”です。
✔️ 誰にでも“傾向”はあり、白黒ハッキリ分けられるものではありません。
実際、「ASD(自閉スペクトラム症)」という名前のとおり、
発達障害はスペクトラム=グラデーション状とされています。
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発達障害の診断で重要なのは「社会的障害」
ここで大事なポイントがひとつあります。
発達障害の診断では、「特性があるかどうか」だけではなく、
それによって“日常生活に支障があるか(=社会的障害)”が決め手になります。
たとえばこんなケース:
• 人とのやり取りが苦手で、職場で浮いてしまう
• うっかりミスが多く、仕事に深刻な影響が出ている
• スケジュールが管理できず、生活が破綻している
こうした「社会的障害」が複数の場面で見られるとき、診断や支援が検討されます。
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診断名がつかなくても、苦しんでいい
ここで強調したいのが、
「診断がつく=しんどい」「診断がない=大丈夫」ではないということ。
診断名がつかなくても、
• 生きづらい
• 苦しい
• 自信がない
• 何度も人間関係が破綻する
…そんな日々を過ごしているなら、それはちゃんと「困っている」状態です。
そして、それは「支援を受けてもいい状態」なんです。
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自分に合った環境であれば、人はちゃんと生きやすくなる
発達特性を持つ人が“ラクになる”瞬間は、往々にして
「自分に合った環境」に出会ったときです。
たとえば…
特性 合わない環境 合う環境
音に敏感 オープンフロア、雑音だらけの職場 在宅勤務、図書館のような静かな空間
忘れっぽい 指示が口頭のみ タスクを見える化してくれる文化
過集中になりがち 細かい休憩が取れない職場 25分仕事+5分休憩のポモドーロ式導入
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希望はある。今からでも遅くない
どんなに長く悩んできたとしても、
気づいた「今」から、少しずつでも進めます。
• 自分の特性を知る
• 生きやすい環境を探す
• 必要なら、診断や支援を受ける
• 「自分を責めない練習」を始める
あなたの中にある「このままじゃダメかも」という感覚。
それは、変わりたいという前向きな気持ちの“種”です。
焦らなくて大丈夫。
まずは、「知ること」から、一歩ずつ始めてみませんか?
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さいごに:自分を知ることは、誰にとっても財産です
ラベルを得ることよりも大事なのは、
自分の“トリセツ”を理解すること。
適応障害でも、発達障害でも、グレーゾーンでも、名前がつかなくても――
あなたはあなたのままで、生きていていい。
そして、今より少しでもラクに生きられる可能性は、きっとあります。
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📘参考にした文献・信頼できる情報源
• アメリカ精神医学会『DSM-5 精神疾患の診断・統計マニュアル』医学書院
• 厚生労働省:発達障害者支援の方向性
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi/hattatsu/index.html
• 国立障害者リハビリテーションセンター「発達障害情報・支援センター」
https://www.rehab.go.jp/ddis/
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カウンセリングを受けてみることもよいですし
医療機関に行ってみて自分の性格傾向を見てみることもいいでしょう。
心理検査というデータは自分自身を振り返る材料になるはずです。


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